
開発のきっかけ
私の本業はエアコン屋です。
銅が蚊の発生を妨げるのはずっと前から知っていました。
自宅の雨水桝に最初は銅線を丸めて入れていました。
でも,しばらくしてから見ると銅線が無くなっていました。
きっと大雨の時流されてしまったんだと思いました。
幸いパイプが詰まったりはしていませんでした。
そこで、もっとしっかりしたエアコンで使う銅管を丸めて入れておきました。
蚊は当然外部からもやってきます。
でも庭で一服していて蚊に刺されることが減ったように思いました。
コロナが出だして2年目にモロッコの男性を新入社員として迎えました。
飲食店で働いていたのですが仕事がなくなったらしくハローワークで知合いました。
エアコン工事の経験者だったので、すぐに現場では活躍出来ました。
ところが現場が無いときは漢字がほとんどダメなので出来ることがあまりありません。
そこで、廃材を使って何か作れないか遊び半分ででいろいろ作ってみました。
そんな時雨水桝に入れておく銅で面白い形が作れないかと考えたのが『蚊とり潜銅』です。
商品名はすぐに思いつき、わかりやすく気に入っています。
沈んだり流されたりしないシンプルな形状にしました。
あとで気が付いたのですが折りたたんで送ることで送料も抑えられました。
商品化にむけて
まず、銅が本当に蚊の発生を妨げるのかインターネットで調べてみました。
結構いろんな記事が出てきました。
過去にNHKで取り上げられていたり、神戸大学の研究でインドネシアのジカ熱を銅で減らす場合の費用対効果を試算していたり、大阪教育大学付属の中学生が銅だけでなく鉛やハンダ材でも実験して自由研究で賞をもらったりしていました。
当社でも面白そうなので夏にボウフラを育てて実験してみました。
動画を作ったので見てみてください。
蚊とり潜銅の効果を実験
つぎに雨水桝について調べてみました。
雨水桝は土砂が一度に流れてしまわないよう水が溜まる構造になっていることが多いです。
その溜まった水に蚊が発生します。
国立感染症研究所の調査資料に住宅街の場合、蚊の「発生源の69.3%は雨水マスであった。」
とあり雨水桝の対策の認知度を上げることの重要性を再認識しました。
蚊についてもざっと調べてみました
蚊は20度ぐらいから活動し25度以上で活発に活動します。
卵は一度に100個ぐらい産み10日から15日で成虫に成ります。
幼虫時代はすべての蚊が水中ですごします。
いよいよ商品化
「こんな商品どうやろ?」といろんな人に聞いてみました。
銅で蚊の発生を妨げることを知っている人が2割ぐらいでした。
雨水桝のことを建築関係の人は知っていましたが一般の人はほとんど知りませんでした。
そこでまず、わかりやすく説明するために「設置方法」と「効果の実験」動画を作りました。
それから「パンフレット」や「箱」「シール」などを一つ一つ作っていきました。
6月に思いつき商品化できたのが12月でした。
車のメーカーが「こんな車をつくります」と発表してから販売するまでに2~3年かかるのが少しわかったような気がします。
今後の課題
この商品は1戸建てでしか使えないと思います。
マンションなど大きい建物にも雨水桝はありますが大きくて水量が激しいものが多いです。
ご要望があればもっと大きくてしっかりしたものを製作することもできますが今後の宿題としています。
ただ、日本には一戸建てが2500万戸あるそうです。
いまの人員では1日に100個作るのがやっとですのでボチボチ広まってくれたらいいなと思っています。